生命保険営業はつらかった|私が保険営業を始めて辞めるまでのリアルな話
私が生命保険の営業を始めた理由。
それは、母が昔、住友生命で営業をしていたことがきっかけでした。
母はすでに保険営業を辞めていましたが、当時も母の友人が現役で働いていたのです。
当時の生命保険会社には「増員制度」というものがありました。
長く営業をしている人は、自分の部下を増やすよう勧められるのです。
そして、その部下の成績の一部が紹介者のインセンティブになる仕組みでした。
当時の私は、特に定職もなくブラブラしていました。
そんな私を見かねた母が、友人に相談したのだと思います。
生命保険営業に入ると最初にやること
生命保険会社というのは、一人でも入社すると、まず親戚や知人に声をかける世界です。
飛び込み営業とまではいかなくても、
- 親
- 親戚
- 友人
- 知人
こうした身近な人に保険を勧めるのが最初の仕事でした。
正直に言えば、
「義理で入ってもらう」
そんなケースも少なくありません。
それで辞めてもらっても会社としては問題ない。
そんな空気も当時はありました。
正社員として入った私
私は試験を受けて入社した正社員でした。
そのため、営業成績がゼロでも毎月固定給は支払われます。
しかし、正社員とは言え固定給と歩合で当然固定給部分は低いです。
成績次第では、3ヶ月後には減給となります。
見込み客を持っていないと、結局のところ知人・友人・親戚と知り合いを回るしか有りません。
当然のごとく最初は、知人・友人を頼りにし、親戚を回りました。
ありがたいことに、何件か加入していただくことができました。
しかし、生命保険営業の世界は甘くありません。
初月と1ヶ月目あわせて3口でした。
毎月月末になると成績発表があります。
そこには、グラフの棒が天井まで届くほど契約を取る“化け物みたいなおばさん営業”がいました。
「あの人たちは一体どうやって契約を取っているんだろう…」
そう思うほど圧倒的でした。
何年もかけて、職域を何十か所も開拓し人間関係を構築して、見込み客を増やし毎月の成績へ繋げている事を後で知りました。
当時主流だった「災害倍額型保険」
当時の生命保険は「災害倍額型」が主流でした。
通常死亡なら1,000万円~。
しかし交通事故や災害で亡くなると、2,000万円支払われるという内容です。
だから営業では、どうしてもこういう話になります。
「万が一のとき、奥様やお子さんのために保証を…」
つまり、“亡くなること”を前提に話をしなければならない。
これが、どうにも自分には合いませんでした。
保険営業は断られて当たり前
生命保険の営業というだけで、
「もう入ってるからいいよ」
「保険は間に合ってる」
と言われることがほとんどです。
今思えば、精神的にはかなりきつい仕事でした。
全く人間関係もなく初対面の人を相手にしなくてはならない、どう切り出せば良いのかが分りませんでした。
まず名刺で挨拶、もうその時点で「ああ生命保険屋か・・・」です。
一通りの説明をして、また伺います。
それを皮切りに2度、3度と訪問を繰り返し人間関係を作って行く、そしてその輪を広げて契約に繋げる。
生命保険の営業とは、そのような泥臭い草の根運動のような地道な作業です。
それでも感謝された出来事がある
そんな中、今でも忘れられない出来事があります。
義兄のところへ行き、生命保険の説明をしたときのことです。
義兄は私の話をちゃんと聞いてくれて、保険に加入してくれました。
ところが、その2年後。
元気だった義兄が、突然病気で亡くなってしまったのです。
本当に突然でした。
その後、奥様から言われました。
「あの時、保険を勧めてくれて本当に良かった」
その言葉を聞いたとき、
「人の先のことなんて、本当に分からないものなんだ」
そう強く感じました。
でも、あの時に保険に入ってもらって本当に良かった。
本当にそう思いました。
「人生一寸先は闇」といいますが、そういう意味では、生命保険は必要だと強く思いました。
それでも私は生命保険営業を辞めた
感謝される仕事なのは間違いありません。
でも、私はどうしても違和感を消せませんでした。
亡くなって、結果的に「入っていて良かった」と言われる。
もちろん生命保険とは、そういうものです。
残された家族を守るためのもの。
頭では理解しています。
それでも私は、
「人が亡くなることを前提に営業する仕事」に最後まで慣れることができませんでした。
そして、生命保険営業を辞めることにしました。
元々、母親の知人の増員しなければならない、ノルマを埋めるための入社だったのですから。
仕事として、継続するには、
自分の仕事に誇りを持って取り組めなければ情熱も湧きません。
苦しみながら、嫌々ながら仕事をしても自分に納得が行かず、それは以心伝心相手にも伝わるでしょう。
実績が上がる筈が無いのです。仕事とは、生きて行く為の手段ですが、できるなら仕事とは、一生涯を貫けるものである事が理想です。
そう言う思いで、仕事を考えて見ると良いかも知れません。
今の私と生命保険
現在の私は独り身です。
財産を残す相手も娘くらいですが、その娘も自分なりにしっかり頑張っています。
だから今は、
「自分の身の振り方さえ決めておけばいい」
そう考えています。
そのため、現在は生命保険には加入していません。
現在では、生命保険よりも疾病保険の方が大切かも知れません。
今や保険も、様変わりし必要な金額に応じた保険。
死亡保険も、残したい金額に応じて掛け金を決められるオーダーメードのような保険も存在します。
生命保険は必要なのか?
生命保険は、
- 必要だという人
- 不要だという人
考え方が本当に分かれます。
家族構成や財産など生き方によって、答えは違って当然です。
ただ、生命保険営業を実際に経験した私が思うのは、
「一度、自分自身でしっかり考えてみること」
日本の税制度は極めて理不尽です。
財産を持っていても土地などでは税利率55%、このような場合生命保険が役立ちます。
土地はあっても、すぐには換金できない。
なくなく相続放棄などという事もあるそうですが生命保険があれば、それに対処することができます。
置かれている立場や、残される家族のことも、すべてを安心に変える。
それが大事なのではないか、ということです。
皆さんは、生命保険についてどう考えますか?


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