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高齢者が利用できる公的支援制度10選|第5章自治体の配食サービスと見守りサービス

高齢者公的支援制度
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第5章 自治体の配食サービスと見守りサービス

食事を届けるだけではない、一人暮らしを支える仕組み

あっけ
あっけ

こんにちは。77歳のアッケです。

一人暮らしをしていると、食事を作ることが面倒に感じる日があります。

体調が悪い日、足腰が痛む日、買い物へ行くのがおっくうな日。
冷蔵庫を開けても何もなく、「今日はもう、簡単なもので済ませよう」と思うこともあるでしょう。

一日くらいなら、それでも何とかなるかもしれません。
しかし、パンやカップ麺だけの日が続けば、栄養の偏りが心配になります。

さらに、一人暮らしにはもう一つの不安があります。

「もし家の中で倒れたら、誰が気づいてくれるのだろう」

そんな心配を少し軽くしてくれるのが、自治体や地域団体などが行っている配食サービスと見守りサービスです。

ただし、これらは全国どこでも同じ内容で利用できる制度ではありません。
対象者、利用料金、配達回数、安否確認の方法は自治体によって異なります。

まずは「自分の住んでいる地域には、どのような支援があるのか」を確認することから始めましょう。

高齢者向け配食サービスとは?

栄養に配慮した食事を自宅まで届けてもらえる

高齢者向けの配食サービスは、買い物や調理が難しくなった方の自宅へ、栄養に配慮した食事を届ける仕組みです。

一般的な宅配弁当との違いは、単に食事を届けるだけではなく、利用者の健康状態や生活状況に配慮したサービスがあることです。

地域や事業者によっては、次のような食事を相談できる場合があります。

■普通食
■塩分を控えた食事
■エネルギー量を調整した食事
■やわらかく調理した食事
■かむ力や飲み込む力に配慮した食事
■たんぱく質やカリウムなどに配慮した食事

ただし、病気の治療を目的とした食事を選ぶ場合は、自己判断だけで決めない方が安心です。
かかりつけ医、管理栄養士、ケアマネジャーなどへ相談してください。

厚生労働省も、高齢者向け配食について、栄養状態だけでなく、注文時の確認や継続利用中のフォローが大切だとしています。

配食サービスには見守りの役割もある

食事を届ける人が異変に気づくことがある

地域の配食サービスには、食事を玄関先まで届ける際に、利用者の様子をさりげなく確認する仕組みを持つものがあります。

例えば、いつも玄関へ出てくる人が出てこない。
呼びかけても返事がない。
昨日まで元気だったのに、今日は顔色が悪い。

そのような異変が見られた場合、あらかじめ登録された家族や支援者へ連絡する仕組みです。

これは、医師や看護師による診察ではありません。
また、24時間ずっと見守ってもらえる制度とも限りません。

それでも、定期的に誰かが訪ねてくれることは、一人暮らしの方にとって大きな安心につながります。

食事を受け取る時に交わす、

「今日はお変わりありませんか」

「昨日より暖かくなりましたね」

という短い会話が、その日初めて人と話す機会になることもあります。

具体例① 買い物が難しくなったAさん

週3回の配食で食生活が整った例

79歳のAさんは一人暮らしです。

膝の痛みが強くなり、スーパーまで歩くことが難しくなりました。
以前は自分で料理をしていましたが、買い物へ行けない日が増えるにつれ、パンやインスタント食品だけで済ませることが多くなりました。

心配した近所の方から地域包括支援センターを紹介され、相談したところ、地域で利用できる配食サービスについて教えてもらいました。

Aさんは週3回、夕食を届けてもらうことにしました。

配食のない日は、届いた食事を参考にしながら、豆腐、卵、冷凍野菜などを使った簡単な料理を作っています。

毎日すべての食事を配食にするのではなく、無理のない回数だけ利用することで、費用を抑えながら食生活を整えられました。

Aさんは、

「毎日頼まなくてもいいと分かって、気持ちが楽になりました」

と話していました。

これは説明のための一例ですが、配食サービスは「全部の食事を任せるもの」とは限りません。自分で作れる日と、助けてもらう日を組み合わせる使い方もあります。

具体例② 配達時の確認が安心につながったBさん

いつもと違う様子に気づいてもらえた例

82歳のBさんも一人暮らしです。

ある日、配達員が食事を届けたところ、いつもならすぐに玄関へ出てくるBさんから返事がありませんでした。

何度か呼びかけても応答がなかったため、事前に決められていた連絡先へ連絡しました。
その後、家族が確認したところ、Bさんは体調を崩して寝込んでいました。

幸い大事には至りませんでしたが、Bさんは後日、

「誰かが来てくれるだけでも安心ですね」

と話したそうです。

この例も、サービスの役割を説明するための想定事例です。
実際の連絡方法や対応範囲は、自治体や事業者によって異なります。

利用前に、
「応答がなかった時は誰へ連絡するのか」「緊急時はどこまで対応してもらえるのか」
を確認しておきましょう。

配食サービスの料金はいくら?

無料とは限らない

自治体の支援がある配食サービスでも、食事代は利用者が負担するのが一般的です。

料金は地域、献立、食事の種類、配達方法などによって異なります。
自治体が一部を助成する場合もあれば、民間事業者の通常料金を支払う場合もあります。

例えば、1食500円の弁当を週3回利用するとします。

1週間では1,500円、4週間なら約6,000円です。

毎日利用すれば費用は増えますが、買い物へ行く交通費、食材を余らせてしまう損失、調理の負担なども含めて考える必要があります。

「弁当代だけを見ると高い」と感じても、食材を腐らせることが減り、栄養の偏りを防げるなら、生活全体では助けになるかもしれません。

大切なのは、自分の生活に合う回数を選ぶことです。

見守りサービスにはどのような種類がある?

訪問型の見守り

地域の支援員、民生委員、ボランティア、事業者などが、定期的に自宅を訪問する方式です。

直接顔を合わせられるため、体調や生活の変化に気づいてもらいやすいのが特徴です。

ただし、訪問する人や回数、対象者は地域によって異なります。

電話による安否確認

決まった曜日や時間に電話をかけ、体調や困りごとを確認する方式です。

スマートフォンを使い慣れていない人でも、普通の電話で利用できる場合があります。

会話の機会にもなるため、「誰とも話さない日が続く」という方にも心強いサービスです。

緊急通報装置

急に具合が悪くなった時、専用のボタンを押して家族や受信センターへ知らせる仕組みです。

首から下げるペンダント型、腕時計型、固定電話につなぐ型などがあります。

ただし、サービスによっては初期費用や月額料金がかかります。また、本人が意識を失ってボタンを押せない場合には使えないこともあります。

センサーや電気使用量による見守り

人感センサー、ドアの開閉、電気やガスの使用状況などから、生活の変化を確認する方式です。

長時間動きがない、いつもの時間に電気が使われていないなど、普段と異なる状態を検知すると、家族や見守り事業者へ通知されます。

カメラを使わずに見守れるサービスもあるため、プライバシーが気になる方にも選択肢があります。

配食と見守りを組み合わせたサービス

食事を届けながら、安否も確認する方式です。

地域によっては、配食、定期訪問、緊急時の駆けつけを組み合わせた支援もあります。

どの方式が一番よいかは、本人の体調、家族との距離、住まい、費用によって変わります。

誰でも利用できるわけではない

利用条件は自治体ごとに違う

自治体が行う配食や見守りサービスには、利用条件が設けられている場合があります。

例えば、次のような条件です。

1.65歳以上の一人暮らし
2.高齢者だけで暮らしている世帯
3.日中または夜間に一人になる
4.買い物や調理が難しい
5.要支援・要介護認定を受けている
6.慢性疾患などにより日常生活上の注意が必要
7.家族による支援を受けにくい

年齢だけで利用できるとは限りません。

反対に、要介護認定を受けていなくても、身体の状態や生活状況によって相談できる場合があります。

「自分は対象にならないだろう」と最初から諦めず、地域包括支援センターや市区町村の高齢者福祉窓口へ尋ねてみてください。

利用する前に確認したい7つのこと

サービスを申し込む前に、次の点を確認しておくと安心です。

1.1食当たり、または月額の利用料金
2.配達できる曜日と時間帯
3.普通食以外の食事に対応しているか
4.食事を手渡ししてもらえるか
5.応答がない時は誰へ連絡するのか
6.キャンセルはいつまでに連絡すればよいか
7.年末年始や祝日にも利用できるか

特に大切なのが、安否確認の範囲です。

「見守り付き」と書いてあっても、緊急時に必ず駆けつけてくれるとは限りません。
家族へ電話をするだけの場合もあれば、警備会社などと連携している場合もあります。

内容を確認し、自分が期待している支援と合っているかを判断しましょう。

どこへ相談すればよいのか

最初の相談先は地域包括支援センター

どのサービスを選べばよいか分からない時は、地域包括支援センターへ相談するのが分かりやすい方法です。

地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。

介護だけでなく、一人暮らしの不安、認知症、生活上の困りごと、権利擁護、介護予防などについても相談できます。

担当のセンターが分からない場合は、市区町村役場へ電話して、「自分の住所を担当する地域包括支援センターを教えてください」と尋ねれば案内してもらえます。

相談したからといって、すぐにサービスを契約しなければならないわけではありません。
「どのような支援があるか、まず知りたい」という相談でも大丈夫です。

配食サービスがなくなることもある

情報は必ず最新のものを確認する

自治体のサービスは、内容が変更されたり、別の事業へ移行したり、終了したりすることがあります。

以前は利用できた配食サービスが終了し、現在は民間事業者の紹介や見守り機器への補助に変わっている地域もあります。

そのため、古いブログ記事や何年も前の案内だけで判断しないことが大切です。

市区町村の公式サイトで最終更新日を確認するか、担当窓口へ直接問い合わせましょう。

アッケが思うこと

一人暮らしでつらいのは、食事を作れないことだけではありません。

今日一日、誰とも話さなかった。
もし倒れても、すぐには気づいてもらえないかも知れない。
そんな不安を、心のどこかに抱えている方も多いと思います。

配食サービスは、お弁当を運んでもらうだけの仕組みではありません。

玄関先で顔を合わせること。
短い言葉を交わすこと。
いつもと違う様子に気づいてもらえること。

それだけでも、一人暮らしの安心感は変わります。

助けてもらうことを、恥ずかしいと思う必要はありません。自分の暮らしを守るために、利用できる仕組みを上手に使う。

それも、人生後半戦を自分らしく暮らすための生活防衛だと思っています。

参考資料

■ 厚生労働省「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」
【内容】高齢者向け配食サービスの栄養管理、利用開始時の確認、継続利用中のフォローに関するガイドライン

■ 厚生労働省「地域包括ケアシステム・地域包括支援センターについて」
【内容】高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防、地域支援を行う地域包括支援センターの役割

■ 政府広報オンライン「地域の身近な相談相手・民生委員、児童委員」
【内容】高齢者などの相談に応じ、必要な福祉制度や支援機関へつなぐ民生委員の役割


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