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高齢者が利用できる公的支援制度10選|第7章交通費助成と自治体独自の高齢者支援

高齢者公的支援制度
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第7章 交通費助成と自治体独自の高齢者支援

外出を諦める前に、自分の町の制度を調べてみる

あっけ
あっけ

こんにちは。
77歳のアッケです。

毎回の食料品の買い物は、少しでも運動量を増やすために徒歩で20分ほど歩いて買い物に行きます。

しかし年齢を重ねると、病院や買い物へ行くこと自体が負担になる場合があります。

車を手放した。
駅やバス停まで歩くのが大変になった。
タクシーを使えば楽だけれど、年金暮らしでは料金が気になる。

そのため、本当は病院へ行きたいのに受診を先延ばしにしたり、買い物の回数を減らしたり、友人との集まりへ行くのを諦めたりすること、ありますよね。

けれども、高齢者が外へ出ることは、単に移動するだけではありません。
人と会話する、体を動かす、買い物を楽しむ、季節の変化を感じるといったことも、心身の健康を守る大切な活動です。

国も、高齢者の移動手段を確保することは、医療や買い物への移動だけでなく、介護予防、孤立防止、社会参加につながる重要な課題だとしています。

自治体によっては、敬老乗車証、バス・地下鉄の助成、タクシー券、福祉車両、乗合交通、外出支援サービスなどを用意しています。

ただし、交通費助成は全国一律の制度ではありません。

住んでいる市区町村によって、対象年齢、所得制限、自己負担額、利用できる交通機関、申請方法が大きく異なります。

「隣の市では使えるのに、自分の町では使えない」ということもあります。
反対に、自分の町に便利な制度があるのに、知らずに使っていないケースもあります。

高齢者向け交通費助成にはどのようなものがあるのか

敬老乗車証・敬老パス

高齢者がバス、地下鉄、市電などを利用する際に、運賃の全部または一部を自治体が助成する制度です。

「敬老パス」「敬老乗車証」「高齢者優待乗車証」など、自治体によって名称が異なります。

無料で利用できる地域もあれば、本人が一定額を負担して、助成分をICカードへ入金する地域もあります。

利用できる交通機関も地域によって違います。
市営バスだけが対象の地域もあれば、地下鉄、民間バス、路面電車などに使える場合もあります。

年齢についても、65歳以上、70歳以上、75歳以上など、自治体ごとに条件が異なります。

古い記事や以前にもらった案内だけを頼りにせず、利用する年度の公式情報を確認することが大切です。

私の住んでいる横浜市では敬老パスが発行され、70歳以上の非課税世帯は年間3,200円で利用できます。

利用できる交通機関
横浜市営バス、市営地下鉄、金沢シーサイドライン、市内の民間路線バスなどです。

「私の住んでいる地域では、バスの本数が1時間辺り2本と少なく、一本逃すと長く待たなければなりません。料金だけでなく、使いやすい時間に便があるかも大切だと思います。」

タクシー券・福祉タクシー助成

誰でも受け取れるとは限らない

自治体によっては、タクシー料金の一部を助成する利用券を交付しています。

ただし、多くの場合、単に高齢であるというだけでは利用できません。

例えば、要介護認定を受けている、重度の障害がある、公共交通機関を一人で利用することが難しい、常時車いすを利用しているなどの条件が設けられることがあります。

助成方法もさまざまです。

○一定金額のタクシー券を年間数枚交付する
○1回の乗車につき決められた金額を助成する
○福祉タクシーの初乗り料金を助成する
○通院時だけ利用できる<
○自宅と医療機関の間だけ対象にする
○乗合タクシーや予約制交通を安く利用できる

札幌市には、一定の障害区分に該当する方が、交通乗車券、福祉タクシー利用券、自動車燃料助成券の中から選択できる制度があります。

これは「高齢者なら全員が対象」という制度ではなく、障害者手帳の等級など、定められた条件に該当する方が対象です。

このように、「タクシー券がある」と聞いても、自分が対象とは限りません。

反対に、障害者手帳や要介護認定があるにもかかわらず、制度を知らずに通常料金で利用している方もいるかもしれません。

市区町村の高齢者福祉担当、障害福祉担当、介護保険担当、地域包括支援センターへ確認してください。

具体例① 通院のタクシー代に悩んでいたAさん

月2回の通院でも負担になる

80歳のAさんは一人暮らしです。

足腰が弱くなり、バス停まで歩くことが難しくなりました。
病院まではタクシーで片道2,000円ほどかかります。

往復で4,000円、月2回通院すれば8,000円です。
一年間では約9万6,000円になります。

Aさんは、料金を気にして通院回数を減らそうとしていました。

そこで地域包括支援センターへ相談したところ、Aさんの状態と認定区分では、自治体の外出支援制度を利用できる可能性があると案内されました。

手続きをした結果、すべての料金が無料になったわけではありませんが、年間の交通費負担を軽くできました。

これは制度を説明するための想定例です。
実際の対象条件や助成額は自治体によって異なります。

大切なのは、「タクシー代が高いから仕方がない」と諦める前に、利用できる制度がないか相談することです。

予約制の乗合タクシーやデマンド交通

バスが少ない地域を支える移動手段

地域によっては、決まった時間に走る路線バスではなく、利用者が電話などで予約して乗車する「デマンド交通」が運行されています。

乗合タクシー、予約制バス、コミュニティ交通など、名称は地域によって異なります。

普通のタクシーのように一人だけを運ぶのではなく、同じ方向へ向かう複数の利用者が乗り合わせる仕組みが一般的です。

自宅近くの指定場所から、病院、スーパー、駅、公共施設などへ移動できる場合があります。

料金も通常のタクシーより安く設定されていることがあります。

ただし、次のような制限が設けられる場合があります。

⇨前日または数時間前までの予約が必要
⇨運行する曜日や時間が決まっている
⇨利用できる区域が限られている
⇨自宅の玄関前まで来ないことがある
⇨住民登録をしている人だけが対象
⇨事前登録が必要
⇨病院や買い物など、利用目的が限定される

国は、路線バスだけで移動手段を確保することが難しい地域において、
公共ライドシェアや福祉・交通分野の連携など、複数の方法を組み合わせる必要があるとしています。

自分の町でデマンド交通が運行されているかは、市区町村役場の交通政策担当や高齢者福祉担当へ確認してください。

都会では電車やバスが次々に来ますが、地方では事情が違います。
テレビでたまに見たりしますが病院へ行くために一日がかりになる地域もあるようだと知りました。

住民が、わずか数人とも言う限界集落があるようです。
その限界集落でも一人暮らしの高齢者がいるようで、この先どうして暮らしていくのだろうと考えると胸が苦しくなります。

これから先、制度があっても、使いたい時間に使えなければ意味がないという問題も感じます。

介護保険の通院等乗降介助

タクシー料金そのものが無料になる制度ではない

要介護認定を受けている方は、訪問介護サービスの一つとして「通院等乗降介助」を利用できる場合があります。

これは、訪問介護員などが、

1.自宅から車両までの移動を介助する
2.乗車や降車を手伝う
3.病院での受付などを支援する
4.帰宅時の移動を介助する

といった支援を行うものです。

ただし、介護保険が適用されるのは、原則として介助に関する部分です。

車両の運賃やタクシー料金は別に必要となるのが一般的です。
また、要支援の方や、単に交通手段がないという理由だけでは利用できない場合があります。

本人の身体状態、外出目的、介助の必要性、ケアプランへの位置付けなどが関係します。
「介護タクシーならすべて介護保険で安くなる」と誤解しないようにしてください。

利用を考える場合は、担当のケアマネジャーへ相談しましょう。

運転免許を返納すると受けられる支援

返納しただけで全国共通の特典があるわけではない

高齢になり、運転に不安を感じた時、運転免許証を自主返納する選択があります。

自主返納した方は、申請によって「運転経歴証明書」を取得できます。

自治体、警察、交通事業者、民間企業などが、運転経歴証明書を提示した方へ、次のような特典を用意している場合があります。

バスやタクシー料金の割引
乗車券や回数券の交付
商品やサービスの割引
配送サービスの割引
自治体独自の交通支援

ただし、これも全国一律ではありません。

返納した時期、年齢、居住地、申請期間などによって、利用条件が異なることがあります。

また、免許を返納してしまった後で、

「買い物へ行けない」
「病院へ通えない」

と困るケースもあります。

返納する前に、次のことを確認しておきましょう。

1.自宅から最寄りのバス停や駅まで歩けるか
2.病院の送迎車があるか
3.スーパーの宅配を利用できるか
4.家族や近所の人へ頼めるか
5.デマンド交通があるか
6.タクシー助成の対象になるか
7.免許返納者向けの特典があるか

安全のために返納することは大切ですが、返納後の暮らしまで一緒に考える必要があります。

車を手放すと一見スマートに見えます。
免許返納も、安全だけを考えれば簡単な話に見えます。
しかし地方で車を手放すことは、買い物や通院の自由を失うことにもつながります。

高齢一人暮らしには車は、足でもあり友人とも言えるパートナーです。
ひとり寂しいときでも、好きな音楽を聞きながらのドライブは癒しでもあります。

返納を勧めるだけでなく、その後の生活を支える仕組みが必要だと思います。

交通費以外にも自治体独自の支援がある

高齢者向けサービスは自治体によって大きく違う

高齢者向けの独自支援は、交通費だけではありません。

地域によっては、次のような事業を行っています。

緊急通報装置の貸与
配食・安否確認
寝具の洗濯や乾燥
訪問理美容
紙おむつの給付
ごみ出し支援
買い物支援
除雪・雪下ろし支援
住宅の軽微な修繕
火災警報器などの給付
電話による見守り
補聴器購入費の助成<
はり・きゅう・マッサージ券
公衆浴場や運動施設の利用助成

ただし、これらの事業をすべての自治体が実施しているわけではありません。

利用できる年齢、所得、介護度、障害の有無、家族構成などの条件が設定されています。

また、同じ名称の制度でも、助成額や利用回数が違います。
ブログに「高齢者なら無料で利用できる」と書かれていても、自分の地域では対象外ということがあります。

まずはご自分の地域で公式情報を確認してください。

自分の町の制度を探す方法

市区町村名と困りごとを組み合わせて検索する

インターネットを使える方は、次のような言葉で検索してみてください。

      • 「〇〇市 高齢者 交通費助成」
      • 「〇〇市 敬老パス」
      • 「〇〇市 タクシー券 高齢者」
      • 「〇〇市 外出支援」
      • 「〇〇市 デマンド交通」
      • 「〇〇市 免許返納 特典」
      • 「〇〇市 一人暮らし高齢者 支援」
      • 「〇〇市 高齢者福祉サービス一覧」

検索結果を見る時は、市区町村の公式サイトかどうかを確認してください。
しっかりURL欄を確認することも忘れないで下さい。

記事の日付や更新日も大切です。

古いページでは、制度が終了していたり、対象条件や助成額が変わっていたりする場合があります。

電話で尋ねる場合の聞き方

市区役所へ電話するのが苦手な方は、次のように伝えると話が早くなります。

「高齢者の交通費や外出支援について相談したいのですが、担当の窓口へつないでください」

担当窓口につながったら、

「私は〇歳で一人暮らしです。
病院や買い物への移動が大変になっています。
利用できる交通費助成や外出支援はありますか」

と尋ねてみましょう。

介護認定や障害者手帳がある場合は、そのことも伝えてください。

本人だけでなく、家族から問い合わせることもできます。

制度を調べる時のチェックリスト

利用したい制度が見つかったら、次の項目を確認しましょう。

      1. 対象年齢
      2. 所得制限の有無
      3. 要介護認定や障害者手帳が必要か
      4. 自己負担はいくらか
      5. 年間の利用上限
      6. 利用できる交通機関
      7. 事前登録や予約が必要か
      8. 申請場所
      9. 必要書類
      10. 制度の有効期限と更新手続き

「申し込めばすぐ使える」とは限りません。

申請から利用開始まで数週間かかる制度もあります。

入院や車の故障などで急に移動手段を失ってから慌てないよう、元気なうちに調べておくことをおすすめします。

【参考画像③】

位置:制度の探し方を説明した後
内容:「市役所へ電話」「公式サイトで検索」「地域包括支援センターへ相談」の3つを示した図解
推奨サイズ:1280×670

制度がなければ、別の方法も相談する

公的支援だけが答えではない

自治体へ問い合わせても、利用できる交通費助成が見つからない場合があります。

それでも、すぐに諦める必要はありません。

地域包括支援センターや社会福祉協議会では、地域のボランティア送迎、買い物支援、住民同士の助け合い、民間事業者のサービスなどを把握していることがあります。

病院や介護施設が送迎車を運行している場合もあります。

スーパーや生協の宅配を使えば、買い物の回数を減らせるかもしれません。

オンライン診療や薬の配送を利用できるケースもあります。

「交通費を安くする制度」だけを探すのではなく、
「病院や買い物へ行く負担をどう減らすか」
という広い視点で相談することが大切です。

アッケが思うこと

若い頃は、行きたい場所へ自分で行けることを当たり前だと思っていました。

しかし、足腰が弱くなったり、車を運転できなくなったりすると、その当たり前が少しずつ難しくなります。
移動できないということは、病院へ行けない、買い物へ行けないというだけではありません。

友人に会えない。
外の景色を見られない。
人と話す機会が減る。

そうして、いつの間にか家の中だけで過ごす日が増えてしまいます。
私は、高齢者の移動支援は、単なる交通費の問題ではないと思っています。

その人が、その人らしい生活を続けるための支援です。
制度があれば、遠慮せず使う。
制度がなければ、ほかの方法を相談する。

「もう年だから仕方がない」
と諦める前に、自分の町にどのような支援があるか、一度調べてみる価値はあると思います。

「私アッケが思うこと」
私はある理由で運転免許を更新できずになくしてしまいました。
今思うと車を持ち、好きな時に好きな場所へ行ける自由な、その時のことをよく想い出します。

特に、北海道から駆け落ち同様で一緒に出てきて苦労して築いた筈だった妻に去られ、悲しくてやりきれずに行った逗子の海岸や三崎の浜辺、車は本当にパートナーでした。

しかし現在では、孤独な一人暮らし。
私はスーパーへ行く時、歩きながら青空を眺め、雲を見るだけでも気分転換になります。
買い物は食料を手に入れるだけではなく、私にとって外の空気に触れる人との会話もできる大切な時間になりました。

参考資料

■ 厚生労働省「高齢者の移動手段を確保するためのパンフレット」
【内容】公共交通、福祉輸送、公共ライドシェア、住民互助など、高齢者の移動を支える制度と事業モデル
リンク:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001681644.pdf

■ 中国四国厚生局「福祉×交通」
【内容】高齢者の移動が、医療・買い物だけでなく、介護予防、孤立防止、社会参加に重要であること
リンク:https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/chiiki/fukushi_koutsuu.html

■ 横浜市「障がい者交通費助成」
【内容】対象となる障害区分、交通乗車券、福祉タクシー券、燃料助成券の選択肢と助成内容
リンク:https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/fukushi/annai/gaishutsu/kotsu/riyoken.html


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